愛してやる。Ⅱ
胸が誰かに握られてんじゃねぇかってくらい苦しくなった。

そんな俺に追い打ちをかけるかのように、結衣の「わかった」という何かを決意したような強い声が聞こえた。

「結衣ッ!」

嘘でも「わかった」なんて言ってほしくなかった。

動こうとしてもやっぱり結衣の目が俺を止める。

悲しさと苦しさそして悔しさが言葉にも言えず行動に出せずに唇を噛み締めることでしか抑えることができなかった。

そんな俺に凛とした声が「流星ありがとう。」と少し微笑んだ顔でそう言った。

その声とともに俺にもある覚悟が出来た。

「ごめん」じゃねぇことに嬉しさを感じた。

こんなにも想ってくれてるって思っていいんだよな?

「長居は無用だ。」

そう言っている龍也の声が遠くで聞こえてるかのような錯覚を覚えるほどに結衣のことを見つめ言った。

「必ず迎えに行く」

周りに聞こえてなくたって結衣に聞こえていたらいいと思った。


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