もう一度あなたに恋をした。


それからというもの、叔母さんの家に引き取られて何不自由なく暮らさせてもらってきた。


ぶっちゃけて言えば、母親の事までもを忘れてしまっているらしく、よく覚えてない。

母親が事故に遭った、と聞いてショックを受けたのか、その事故を目の前で見たのか、もしくは自分自身も事故に遭った身なのか…

それは、当時の主治医に聞いても叔母さんに聞いても、誰も教えてはくれなかった。



それから2年ほど経つ今も、こうやってたまに夢を見る。


肝心な部分がいつも聞き取れなくて、それを思い出そうとすると決まって激しい頭痛に襲われる。それで、結局思い出せないまま。


ねぇ、夢の中のあたしは一体何て言ってるの…?



大事な事なはずなのに、頭の中がそれを知る事を拒否してるかのように、ズキズキと痛む。

最初の頃は必死で思い出そうとしたけど、次第に今を楽しむようになってきた。


高校2年生の秋。ーーーーーー



< 2 / 116 >

この作品をシェア

pagetop