会社で恋しちゃダメですか?
山科がまじまじと園子の顔を見る。それからまた、声に出さずに笑い出した。
「何か、おもしろいこと言いましたか?」
園子は訳が分からず、ぽかんと口をあけた。
「そうか、君は、劇的にニブいんだった」
「は?」
「助かった」
山科はそう言うと、髪をかきあげて笑う。
???
「今のは危なかった。ぎりぎり我慢できた」
山科は訳が分からないことを口にすると、くるりと背を向けて会議室を出て行く。
「今日はいろんな意味で助かったよ。ありがとう。また明日な」
山科はそう言った。