君と家出中…
甘い匂い

私が牛丼を食べ終わるよりも早く、遼は机にうつ伏せて寝息を立てはじめた。


店員さんに温かいお茶をもらって、冷えた体をあたためながら、遼の寝顔をぼんやりと見ていた。


伏せられたまつ毛が女の私より長い!


黒髪で短髪にしたほうが絶対かっこいいのにな。チャラチャラしてるのは嫌だけど、やっぱり美形なんだ。




だけど


今日会ったばっかりの男の人なのに、一緒にいたいと思うのはどうしてだろう?



不安だから?



歌声が心地よかったから?



それとも…






遼の寝顔を見ながら色々考えてるうちに、いつの間にか眠ってしまっていた。
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