殺人ごっこ
「ん……あ……は、あ……」


悲痛な悲鳴が聞こえた。

僕は目を見開いている彼女を優しく撫でた。


少しでも、痛み……和らげ。

一気に死ねるように急所を狙った。

多分……もうすぐ逝くだろう。


「あい……してる……」


そんな声が、小さく聞こえた。

彼女の胸の中で、僕のナイフが血塗れになった。


目をぎゅっとつぶる。

力尽きた小さな体を抱いて、すすり泣いた。
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