殺人ごっこ
なんで僕は幸乃を殺したのだろう。

彼女には何の罪もない。


――僕の弱さが原因か?


そうだ、まだ僕は弱かった。

殺される、そんな脅しに怯えて、罪無き彼女を殺した。


僕は、いつまでも弱虫だ。


「ごめん……幸乃、ごめん……!」


けれど僕は知っている。

何度謝っても、何度悔やんでも、何も元に戻らないことを。

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