腹黒教師の甘い策略


谷崎の頬から唇が離して、谷崎を見ると、驚いたように目を見開いていた。

どうだ!ちょっとはドキドキしたんじゃない?

私は谷崎のその反応に気をよくして、得意気に笑った。

「ドキドキした?」

「……お前は本当に……」

「え……っ!」


得意気に言った瞬間に私の背中に冷や汗がにじんだ。忘れてた、相手がとんでもなくたちの悪い男だったということを。

谷崎はぼそっと呟くと、さっきよりも強く抱きしめたあと、強引に唇を押し付けてきた。
さっきみたいな軽いものじゃなく、深く、衝動にかられたように、何度も何度も角度を変えて、とろけてしまいそうなほど優しいキスをふらせた。

「た、に……ざき……っ」

「……7年間の俺の想いをなめるなよ。そんな風に煽られて平常心でいられるほど半端な感情じゃないんだよ。
……こんなんじゃまだ足りない」


聞いたことのないぐらい低く、とびきり甘い声でそう囁くと、また谷崎の影が私に覆い被さった。


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