カムフラージュの恋人
「で?」
「美味しかった。恋活リップみたいな、すごくキレイな色で見た目もキレイだったし、甘すぎず酸っぱすぎずで。大きさも丁度良かったし、何より食べやすかったよ。だからかなぁ。今日来てくれたお客様に、ボナぺのスイーツ美味しいですよーって、おススメしちゃったんだよねぇ」
「あ、そ」
「何よ、その素っ気ない言い方は。口コミの力を侮っちゃいけないよ?」
「別に侮ってないし。てか、きよいはいっつも俺んとこの店“いいですよー”って言ってくれてるじゃんか」
「あ・・・まあそう、ね。で?ホントの御用は」

・・・そう。
雅彦がスイーツを勧めてくる、イコール、その時点ですでに、私に頼みたいことがある。
だから、雅彦がスイーツの評価を聞きたいためだけに、私に電話をかけてきたんじゃない、ということは、すでに私も分かっている。

これ、いつものパターンだから。

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