女子高生ヒーロー、IN幕末なり。
いや、何でって……。

「人を傷つけていないんだから、わざわざあたしが傷つける必要はないじゃん?」

当たり前よ。
あたしだってそんな鬼じゃないからね。

「……へぇ。じゃあ、あの人達が、さっきの子供を傷つけていたら?」

「なぁにそれ。実際斬られてないんだから、それでいいじゃん。」

お兄さんは妙な事言うなぁ。
いいじゃん、平和に終わったんだから。

「ふうん。ねぇ、お嬢さん、お名前は?」

「人に名前を聞く時はまず自分からだよ?」

そう言うと、お兄さんは目をまん丸くして一回止まったあと、何故か笑い始めた。

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