大人の恋模様

なんで!

「本日は、遠いところお越しいただいてありがとうございます。」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

九州を拠点に飛躍的売り上げを伸ばす
真田コーポレーション。
営業の八坂さんだ。

「では、さっそく商談のお話をしましょうか」

沢山の資料をスクリーンを使い説明した
「なるほど、それならこの計画がうまくいきますね。」
「いかがですか?改善点など頂ければ」

「では、この数字をあと5%抑えて、
こちらを増やして…」

「はい、では、明日又お伺いして改善点をまとめさせて頂きます」
「お願いしますね。ところで今晩、
食事でもどうですか?美味い焼酎の店に
ご案内しますよ。」
「ありがとうございます。」
「では、7時に
駅前の花まきで」
「それでは、また、後ほど」

大きなビルを背にし、
「ふ〜。第一段階突破だな」

「部長、資料の作成何ですが…。
少し、お手伝いして頂ければと」

「じゃ、ホテルのラウンジでやるか!」

「いえ、他の資料が私の部屋なので
もし良ければ、部屋でやりませんか?
明日までに作成しないとですし、急いだ方が…。」
「うーん…。まぁ仕方ない。そうするか
じゃ行こう」

「ハイ!!」
以前から、丸山の行動に疑問を持っていた同期の中山から万が一の事を考え
隙を見せるなと忠告を受けていた俺は、

二人きりになるなるならばと、
携帯で会話を録音するようにして置いた。



部屋に入って、
パソコンを開き、
カタカタとキーボードを打つ。

「その資料取ってくれるか?」
「えっと…あっこれですね。」

コーヒーがサイドテーブルから
カラン…。
「あっ…!」
「危ない!」

ドン!!
彼女の上に溢れそうなコーヒーカップを
俺はとっさに手ではらった。

組み敷く形で俺の上になった丸山。

「部長〜。好きなの!私…。抱いて!
お願い!」

バンと彼女を引き剥がし

「悪い!無理だ!お前に興味ない!」

「何ですか!!川奈さんなんかよりずっと
私の方が若いし!胸だってあるわ!」

「そうゆうことじゃない!お前じゃ!
反応しねぇんだよ!!」

必要な資料を持ち部屋を勢いよくでた。

「ふざけやがって!」

俺は、自分の部屋で
夕方までに改善したものを作成した。

「良し、出来た」

時計を見た。
約束の時間だ。
上着を着て、

駅前の花まきにタクシーで着いた。

「やぁ、お待ちしてました。どうぞ」

「彼女は?」
「あ〜。都合が付かなくてすみませんが本日は、私一人で」

「残念です。まぁ仕方ないですね」

小一時間の会食をして、

ホテルに戻った。

部屋に帰ると、
テーブルにメモ。

手に取り読む。

「部長、あなたに拒絶されてショックです。無理やりされたと言いふらします、
せめてもの私の復讐よ!」


「馬鹿げてる!」クシャクシャに丸めてゴミ箱に捨てた。


ポケットのスマホが鳴る。

「佑磨?」
「紗江か?ごめん。電話するって言ったのに…。会食が入ってさ、」

「ううん。いいよ。忙しいんだもんね。
あまり無理しないで。ちゃんと休んでね。おやすみ」
プープー。切れた。

俺は、直ぐに中山に連絡を取った。
「丸山だが、あ、そうだ。会話?
大丈夫だ。取れたよ。あとは、例の件
頼んだ。」


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