大人の恋模様
あなたの胸に包まれて
佑磨のご両親への挨拶を済ませ

結婚する事が社内の人達に
報告された。


仕事をしながら、
休日は、式場やドレスを選びに
ブライダルサロンに足を運んだ。

忙しくしている佑磨と
一緒にサロンに行くことは、
なかなか大変で、

桜の開花を知らせるニュースが流れる
頃、
私は、神崎紗江になりました。

カラン、カラン、教会の鐘が鳴る、

控え室に座り
少しずつ変わってゆく自身に
ドキドキした。

「綺麗ですね。ドレスお似合いですよ」
支度をしてくれるメークさんが
にっこり微笑んだ。

「ありがとうございます。」

コンコン、ドアを叩く音。

「どうぞ。」
ガチャ、スタスタ。

背中から、「紗江…。」
「あっ…。佑磨?どうかなぁ??少し
若すぎるかなぁ?このドレス?」

俯きかげんの佑磨に、
私…。センス無いからなぁ〜。

「綺麗だよ。すっげー似合ってる。
このまま、押し倒したい」

「なっ!!バカ!佑磨。」

スタッフさん達がクスクス笑う。

「まだ、時間があります。お二人で
ゆっくりして下さい。」

みなさんが、席を外していった。

窓から射す光が私達を照らす。
綺麗な白いタキシードに
身を包み、茶色がかった髪の
私だけの王子さま。


「佑磨、カッコイイね。ふふ」
「惚れ直したか?」

私の身体を抱きしめて
耳元で囁く。


「幸せにする。俺から離れるなよ」

「…。はい。しがみ付いてる…。
鬱陶しいって言っても離れてあげないからね!」

「…。愛してるよ。紗江」
「私も、愛してる。佑磨」



fin、


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