大人の恋模様
居た堪れない。


周りの視線が痛い。


とにかく、今は、仕事。
気合いを入れて
パソコンを動かした。


お昼を知らせるメロディー。


ガヤガヤと一斉に社外へ流れる人たち。



「ねぇ!紗江!事情聴取の時間よ!」

「あ?なっ!」


ミカに引っ張られて、社食へ。


「何にする?私は、焼きナポリタン!」

「はぁ〜。私は、たぬき蕎麦。」


カタンと椅子を引き
窓辺の席に座る。


「紗江さん?部長といつから?戻ったのよ!あんた恋は暫くいい!って言ってなかった?」


「それは…。そう…思ってたよ。だけど
佑磨が…。」

「何?部長が?どうしたのよ?」

「先月から、マンションの前で待ち伏せして。何度も…。」

「へぇ〜。で?押しに負けてね〜。結局
あんたも、忘れてなかったし、好きだったんでしょ?だいたい、別れる理由ないもんね。」


「ええ。私のワガママでした。佑磨の
モテモテ加減に嫌気をさして…。逃げました。」

「真逆、あんたを、企画に引っ張るとは
思ってなかったけどね。あいつヤるね!
なんか、きゃーって感じ!ふふふ」

「ミカ!楽しんでない?ってか。
馬鹿にしてるー!」

「だって、バカップルじゃん!で、
結婚?プロポーズなんて?」

「笑わないでよ?」
「一人は満喫してかって。そろそろ
俺のことだけ見ろよって」

「きゃー!あの鬼部長…。なかなかやるじゃん!で、コロッと落ちたわけだ!」

「コロッとって…。はぁ〜。」

「まぁ、良かったじゃん!おめでとう」

「…。あり、がと」

「にしても、あそこの集団。こそこそ
あんた見てるわ!」

「へぇ?なんで?」


「馬鹿ね〜。鬼でも、イケメンは、
モテるのよ!社内No. 1を旦那にするんだし、しばらくは、我慢ね。嫉妬の嵐。
まぁ、私が守ってあげる!ふふふ」

「よろしくだす。ミカさま。」

「任せなさい。心配なさんな!このミカさまがいる。」


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