大人の恋模様
ミカは、販売促進へ、

私は、企画室に戻った。

「この企画書出したの誰だ!」

怖い顔の部長…。


「は、い。俺です。」田無くん。

バコンっと書類で頭叩かれ。

「お前馬鹿?なんでこんな価格になる!
計算めちゃくちゃだ!やり直し!」

「すみません。はぁ〜。やってしまった
怖えーよ。部長…。」


私は、デスクが隣なので、椅子をくるっと回して
「田無!ファイトp(^_^)q」
「紗江さん〜。とほほ。」

ヨシヨシ。頭ナデナデ。


「紗江さん…。なんであんな怖え〜人が
好きなんですか?」

「えっ?怖い?そう?そうでもないよ?
ふふふ」

ギロっと睨む佑磨。


「川奈!ちょと、この企画だけど、」

「はい。」
デスク横に立った。

書類を覗く。「??」

「紗江。田無になんで頭ナデナデ??」

「えっ?別に、慰めただけだよ?」

「誤解するから、やめろ!」

「は〜。」

「じゃ、これで。」「はい。了解です」


デスクに戻った。

それからも、部長の怒号は度々。

ようやく、仕事も終わり。

カバンを取り立ち上がった。

トントン?

「紗江さん〜。疲れた〜。慰めて…。」

「何?ゆきちゃんは?」
「あいつ、部長に夢中で…。俺なんて
眼中にないっすよ。」

「かわいそうに。良し!お姉さまが
飲みに連れてってあげるよ!」

「マジっすか?やったね!」

グッと腰に手を回し私をエスコートしようとした。


「おい!田無!人の女に手ーだすなよ!
なぁ‼️」

「ヒェー!紗江さんが連れてってくれるって」

「ほら!やる。佐々木!!」
「はい?」
「田無と飲んでこい!」
「ありがとうございます。」

「たなー!行こうぜ!ほら」

「あ〜。うん」
手を引かれ出て行った。


誰も居なくなったオフィス。


「紗江?何、甘やかしてんの?」
「えっ?でも…。かわいそうじゃん」


「一人ぼっちの俺は?かわいそうじゃないのか??」


「もう〜。馬鹿…。佑磨…」

抱きしめられて

温かな唇が私に重なる。
少し開いた唇の中に舌先が浸入して
歯列を這い、絡み合う。

「ふっ…う〜ん。ゆ…う〜ん」

「何?欲しくなった?」
佑磨の胸を叩く。

「帰るぞ。紗江。」

地下駐車場から黒のセダンに乗り

佑磨のマンションへ。

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