444~replay~
そう思うがいなや、気がつくとアタシはその焼き鳥を店員の手から奪い取っていた。

ギョッとして店員がこっちを見た。

「あ……」

自分の行動が信じられない。

アタシ、今……なにをしたの?

首をかしげる店員に、アタシは、
「こ、これはやめておくわ。それよりそのタバコちょうだい」
と、後ろに並んでいるタバコを指さした。

「番号は?」

不機嫌さを隠そうともしない店員。


ビールが268円だったから……。


大丈夫、どれを選んでも444円にはならない。

「その85番のやつ。そう、それ」

とっさに言ったタバコのバーコードは、420円と画面に表示される。
< 196 / 559 >

この作品をシェア

pagetop