ヘタレな俺の恋

ケンカなんかするんじゃなかった!

夜遅くに帰ると、結の部屋は灯りがついていた


「ただいま」

「浩一くん、楽しかった?」


結が、おかえりと言わなかった

聞かれたくないこと聞くなよ…


「まぁな」

「あたし…来年から、寮に入る!」

「え?」

「来年の3月までは、ここにいさせて?」

「まて!話が見えねぇ!」

「研究とか会社とか、忙しいの!」

「今までだって、そうだったのに!!
なんで?ここにいろよ?」

「3月までね」

「お前なぁ!!なんで急に!!」

「急じゃないよ、来年だから」

「お前は、俺の彼女だろ?」

「彼女だったの?
家政婦か居候だと思ってた!」

「ケンカ、ぶり返すなよ!?」

「ケンカも出来ない関係なの?
めんどくさい? 重い?
それって、彼女なの?
あたしのこと…どうでもいいくせに!!」

「どうでもよくねぇから、話きかせろ!」

「言ってどうかなるの?
今まで、知ろうともしなかったのに?
なんで……


あたしは抱かないの? 汚いから?」



ブチっとなにかキレた俺は


結を無理矢理ベッドに押し付けた


「やだ!! やめて!!」


強引にキスして、服を脱がせた


「いや!!やだ!!怖いよ!!」


結は、高校時代に虐待を受けていた

その時の痣が残っている


そんなの気にしない


「やーー!!助けて!!やめて!」

今、気になるのは俺を拒絶する

結の叫び声

「んーー!!んん!!んー!!」

手で口をふさぎ、強引に結を犯した


泣いて… 震えて…


高校時代、結がトラックに飛び込んで

死のうとした


その時は、結を助けたい!守りたい!って

本気で思ったのに

今、俺は……

結を傷つけた


あんなに好きで

大切にしたくて


たまらなく好きだった、結を傷つけた

この後悔は、俺が死ぬまで残るだろう
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