ヘタレな俺の恋

五月祭です!

五月祭


promise の後が結たち、Dr.T

入れ替わりの時、女の子たちが

「アオくーん!!」とか「ナナー!!」

とか奇声上げてて

そんな中

「泥棒!!」

って…

聞いたことのある… 声の主は





瑠美だった






「おい!あれ、宮島だろ?」

緒方先輩も気づいた

「え?誰?」

「俺の元カノです」

茜さんと梨花さんに説明した



会場がざわつく



結が青葉さんのところに行って、ギターを渡した


ひらっと、ステージから降りて


瑠美の手を引っ張り、俺のところに連れてきた


「泥棒呼ばわりされる覚えないから!
意味がわかんない!巻き込まないでよね」

なんで、俺に言うかなぁ

瑠美を俺に押し付け、青葉さんにステージへ引き上げてもらう


茜さん達は、俺らから離れた


こりゃ、瑠美と一緒にいないといけないパターンだな


青葉さんが

結に話し掛けてるけど、明らかに

不機嫌な結

バンドメンバーが真ん中に集まった

円陣組んで、いくぞー的な?アレをして

持ち場に戻る

青葉さんの挨拶の後

この前聞いた、オリジナル3曲を演奏


「ナナ、愛してる!」

青葉さんの告白に、会場が沸く


「……」

無視ですか


「浩一、いこ?」

「は?」

瑠美が会場を出ようと言ってきた

騒ぎを起こす訳にもいかない

「ナナと…「もう、恋なんかしない」」

青葉さんの言葉を遮り、結が言った



「冷てぇな……そんなとこも好きだよ!」


きゃあっと女の子たちの黄色い悲鳴!!

最後の曲が始まるころ
瑠美に連れられ、出口へ


青葉さんの歌う歌詞に、振り返った




〝贅沢な部屋、いつも1人だった
雨の中、取り残された

帰ってこないとわかってて
待ってるなんてバカみたい

なんで俺じゃないの?
こんなに恋してる
なんで……なんで…


大切な日は、いつも1人だった〟
部屋の中、取り残された

戻ってこないと知っていて
信じてるなんて、バカだよね

なんで俺じゃないの?
こんなに愛してる
なんで……なんで…

楽しいことより、辛いことが多かった
どうして今もこんなに君が
愛しいんだろう
なんで…俺じゃないの?〟


この歌詞は、結が書いたんじゃないかなって

もし、そうなら結は今も俺を……



戻らなきゃ……そう思って

結を見つめる俺の唇に、瑠美の唇が重なる


え? ……うそだろ


瑠美の唇がはなれるとき


遠くにいる結と目が合った気がした


曲が終わり、すぐに結は舞台からいなくなった


「浩一、やり直したいの」



瑠美の声が聞こえた




「浩一!!お願い!!」



アンコールが沸き起こる中


俺は、ただ瑠美の声を聞きながら


外に出された


「なんで?瑠美が結を知ってんだ?」

「ずっと前、浩一をつけたの…
あの子と2人で住んでるってわかって
辛かった……
あの子は、ただの同居人だって言ったけど
あの子が原因なんでしょ?」

「瑠美、俺達別れただろ?」

「好きなの!!浩一が好き!!
お願い!!嘘ついたこと怒ってるの?
お願い……1人はもう…やなの」

「ごめん」




アンコールでpromiseとDr.T
が合同で会場を盛り上げたけど
結は、ピクリとも笑わなかったと
緒方先輩が言ってた

茜さんと梨花さんが、帰って来てから

「ナナ…今日は、友達のとこ泊まるって」

2人は、打ち上げに参加した
そこでも結は、笑うことなく、過ごしたらしい



< 46 / 76 >

この作品をシェア

pagetop