ヘタレな俺の恋

約束!

結が、一般室に移動してから3人で
お見舞いに行った日

結の両親とバッタリ廊下で会った!


俺「こんにちは!よかった!来れたんですね!」

親「浩一くん!連絡、ありがとう!」

青「大学で、結さんと仲良くさせてもらっています!青葉 奏汰です!」

陽「同じ大学で、シェアハウスにいます
原口 陽太です!」


挨拶を済ませ、病室へ

まだ酸素マスクは、つけたまま
起き上がったり出来ず、喋ることも無理だった


少しだけ微笑んだ



見ててつらいくらい弱々しい結の手を
ついつい……握っていた


青葉さんがいるのに


結が選んだのは、俺じゃないのに



結は、にっこり微笑んだ

青「心配したんだぞ!浩一くんがいてくれて、よかったな!」

青葉さん?

親「浩一くんに、いつも助けられてるのよね!」

青「婚約しているんだから、当然ですよ!
浩一くんがいないとだめなんだよな!?」

結が笑う

青葉さん…もしかして、俺と結が別れてること親に内緒にしようと?なんで?

陽「こっ…婚約!?」

青「陽太、2人は結婚するんだよ!」

陽「え!?」

青葉さんが黙れ!!って感じのウインク!


青「あんまり、騒ぐと体に障りますし
俺らそろそろ失礼します!」







部屋を出てから、青葉さんが言った

「あれこれ詮索されたら、ナナがきついだろ?」



青葉さんは、弱々しいのに
いつも格好いい
外見も内面も
だから、皆がついていくんだ

青葉さんだから

いや青葉さんじゃなきゃ

自由人の結が、ついていくはずない

青葉さんにお願いした

俺「ナナって呼ぶのやめてください
結って呼んでやって下さい!」

青「うん。俺からもいい?」

俺「はい」

青「待っててほしい」

俺「え……」

青「結のことだよ
必ず、俺じゃダメって言うから
少しだけ、俺の彼女にさせて」

俺「待ちますよ?
だけど、結は青葉さんに惹かれてる
ダメなんて、言いません!」

青「約束!結を待っててね!」

俺「はい!」

陽「……どうなってんの?」



青葉さんの目は、真剣だった
不安だから、言ったんじゃない

ちゃんと返すからとでもいうような

儚げな笑顔が、綺麗で男にしとくのは
もったいないと思った


陽太は、キョロキョロと俺と青葉さんを
交互に見ては、首を傾げた



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