闘争少女【前編】完







『兄?』


「うん…僕の兄はオレスカ高に居るんだ」


『居るなら直ぐにでも見つかるんじゃない?』


「それが……」


『?』


「探せないんだ…」


『は?どうゆうこと…』





また、不思議なことを言い出す
イスズは全く何が言いたいのかわからなかった





「僕の兄は2つ上で学年でゆうと3年…
その3年の教室がある3階に
兄は必ずいるはずなんだけど…
何年かにあるかないか
オレスカでは今そのある事が起こってるんだ」


『…………』


「逆襲の”テッペン”争い」


『…………』


「イスズはオレスカのこと
少し知ってるみたいだからなんとなくわかってはいると思うけど、
全校で今、学園の頂点(テッペン)を潰し
新たな頂点につこうとしている奴らが
しらみ潰しに学園を荒らしてるんだ」





イスズは黙って話を聞いている





「そのせいで今、階ごとに
学年封鎖されているんだ
だから下手に動くと……ヤられる」


『…………』


「僕は弱いから…っ…
兄に会いたくても会えないし
この学校にはコードネームが使われてるから
兄の名前さえももわからない…っ」


『…………』


「兄に一度でいいから会いたいんだ…」



カメは弱々しい声でそう言った



『ふ〜ん…じゃあ、取り引きしない?』


「とり、ひき…?」


『そ。
カメのゆうその兄を私が探してあげる…』


「ほんとに?!」


『その代わり…
あの学校の情報を
どんな小さなことでもかまわない
全て私に提供しなさい。』








イスズはベンチから
立ち上がり振り向きざまに言い放った





イスズはカメを見下げる
カメはベンチに
座りそんなイスズを見上げる形に







気づけばもう夕日が沈む時間…

公園にはもう2人しか
残っておらず2人の影が伸びていた
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