パラサイト・ラブ



情事が済んでからも、私達はこれまでの分を埋めるかのようにベッドの中でずっと離れずにいる。


こんな日がまた訪れるなんて信じられない。私はあの日から誰かと付き合ったり触れ合ったりする事を極力避けてきた。


けして海里に操を立てていたわけではなく、仕事に全力を傾けたかったからだ。私をぎゅっと抱き締めながら海里はポツリポツリと今までの事を話し始めた。



「美蘭が俺を好きなのは昔から知ってたよ」

「そう…。気づかれてたのね」



必死に大人の女を装っていたつもりだったのに、当の本人に恋心を知られていたなんて間抜けもいいとこ。



「美蘭に追い出された日からいろいろ考えたよ。あの頃の俺は何もかも中途半端でダメな奴だったから追い出されたのも当然さ。だから医師として独り立ちしたら迎えに来るつもりだった」



海里の言葉にたまらなく感動した。でも私が海里を追い出したのはダメな男だったからじゃない。自分を正当化するためだけの理不尽な理由だ。


いくら気持ちが通じあったとはいえ、こんな私はやはり海里に相応しくない。



「私が海里を好きな気持ちに間違いはない。だけど私はあなたの若い肉体に寄生していた最低な女なの」

「そんなの俺だって同じさ。俺はこの体を使って美蘭を囲い寄生してた」

「…うそ」



俺達は同類なんだよと言って優しくキスをくれた。彼の手がまた私の体を這い始める。私の体は従順にそれに答えた。


互いに寄生の上に成り立っていた関係。パラサイト・ラブ。私達のパラサイトはこれからも続いていく。









End



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