ずっと隣で・・・
徐々に彼が近づいてくる。
どうしよう・・・彼だってわかったらめちゃめちゃ緊張してきた。
私は咄嗟に自分の足元を見つめた。
彼の靴が私のすぐ隣で止まった。
「はい・・・これ」
私の膝の上に缶コーヒーがのせられた。
「あ・・りがとう・・・ございます」
彼は小さく息を吐くと、私の隣に座ったが
彼が私に話しかけることはなかった。
でもそれが逆に緊張を募らせていた。
だけど自分からはやっぱり話しかけられず
もらった缶コーヒーに口をつけた。
「あったかい・・・・」
少し肌寒かったせいか言葉が勝手に出ていた。


「こんな形で再会するとは思わなったよ。」

私は思わず顔をあげてしまった。
彼も私に気づいていたのがわかった。

4年ぶりに間近で見る水野君はあの頃よりも大人っぽくなっていた。

< 9 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop