キミじゃなきゃダメなんだ



「....リナ、ホームルームの前に聞こえちゃったんだけどぉ。あの子達、このあと男の人と会うみたいだよぉ」


唇を尖らせた里菜が、小さな声で言う。


はぁ?男と会うの!?

そんだけなら、別に家に帰ってからでもできるじゃんよ!


だんだんとイライラしてくる私を見て、里菜とチョコちゃんが顔を見合わた。



「あ、あの、私も、はやく仕事終わらせて帰らなきゃいけないから....」

「それはうちらも同じなんだって!本田さんがやる方が、絶対早く終わるし。ね、できるでしょ?」

「...む、無理だよ、ごめ.....」



ーーバサバサバサ......


本田さんが言い終わる前に、紙束が彼女の机の上に落とされた。


バラバラになって目の前に広がった紙を見て、本田さんは目を見開く。



「説明は、この紙に書いてるから。お願いね、本田さん」



有無を言わさない声色が、教室内に響き渡った。


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