キミじゃなきゃダメなんだ
『好きです』って言いたい。
あの切なげな瞳が、これからもずっと、私だけに向いていたらいい。
「マル。恋愛は常に先手必勝よ」
乙女っぽくもの想いに沈んでいたら、チョコちゃんが突然ビシリと指差してきた。
「....と、言いますと」
「いつまでもそうやってウダウダしてたら、他の女に盗られちゃうってことよ。馬鹿」
「.......」
他の女に。
先輩が....盗られる?
他の女子に心奪われて、まるでチャラ男みたいにその子を口説く汐見先輩を想像した。
それはなんか変だったし、ちょっとあり得ないと思ったけど。
先輩が私以外の女の子に、あんな風に顔を赤くさせて、不器用に愛を伝えていたら。
想像して、ものすごくモヤッとした。