キミじゃなきゃダメなんだ
『僕の気持ちがそれだけ君に伝わってるってことでしょ。君にお願いされたらたぶん僕は断れないし、なんでもすると思う』
....どうしよう、いやだ。
こんな自分が、ものすごくいやだ。
「....仕方ないよ、マル。それは、マルが先輩のことそれだけ好きってことでしょ。みんなそうだよ。好きなひとには、自分だけ見ててほしいもんだよ」
里菜が必死に慰めてくれるけど、私の目には再び涙が溜まっていった。
クラスのみんなが、私の様子に少しだけ戸惑っている。
なんで泣くの、私。
悲しいことなんかないのに。
でも、よくわからない不安が、私を襲っていた。
自分が怖かった。
そして、私をこんな風にさせた先輩も、ちょっと怖かった。
先輩の底無しの愛が、怖い。
どんな私でも受け入れようとするとこ。
私のことが好きすぎて、なんかちょっとへんになってるとこ。
宙ぶらりんになってでも、私との日常を守ろうとしてるとこ。