キミじゃなきゃダメなんだ
気にしない気にしない。
くろーい感情は、できるだけ押さえるんだ。
「.....マルは、なんかしないの?」
「なんかって?」
再び歩き出した私を見て、里菜がぽつりと言った。
するって、何をするんだ。
私は先輩の彼女じゃないんだから、できることなんかない。
「ほら、こう....牽制とか」
「け、けんせい?」
「あ、意味わかる?」
「わかるよ!」
国語はできる方なんだ!数学ができないだけなんだよ!
「牽制って....しないよそんなこと」
「出たぁー余裕発言」
「里菜」
またチョコちゃんがパシーンと里菜の頭を叩いた。痛そうだ。