キミじゃなきゃダメなんだ


返事はすぐに来た。


『委員会の仕事があるから遅くなるよ』


そんなもんわかっとるわい!

承知で今日の放課後を選択したんだ。

先輩と、あの美人さんが一緒にいる期間が終わるまで、とか思ってたけど、そんなの待ってる場合じゃない。


『終わるまで教室で待ってます』


そう送ると、やや時間があってから、『わかった』と返信が来た。



「...........」

「どお?先輩、一緒に帰れるって?」



里菜がお弁当を食べながら、尋ねてくる。

私は「うん」と小さく頷いて、サンドイッチを頬張った。



....気づかれてるよなぁ、これ。



わざと『お話があります』とまでは打たなかったんだけど。

いつもならたぶん、『いつになるかわからないから、先に帰りなよ』くらいは返ってきてたと思う。


私と先輩は電車通で、先輩が降りる駅は私のひとつ前だ。

だから彼は私と一緒に帰るとき、時間が遅くなるのを避けようとする。


なのにこんなにあっさり、『わかった』が返ってきたということは。



< 446 / 549 >

この作品をシェア

pagetop