キミじゃなきゃダメなんだ
返事はすぐに来た。
『委員会の仕事があるから遅くなるよ』
そんなもんわかっとるわい!
承知で今日の放課後を選択したんだ。
先輩と、あの美人さんが一緒にいる期間が終わるまで、とか思ってたけど、そんなの待ってる場合じゃない。
『終わるまで教室で待ってます』
そう送ると、やや時間があってから、『わかった』と返信が来た。
「...........」
「どお?先輩、一緒に帰れるって?」
里菜がお弁当を食べながら、尋ねてくる。
私は「うん」と小さく頷いて、サンドイッチを頬張った。
....気づかれてるよなぁ、これ。
わざと『お話があります』とまでは打たなかったんだけど。
いつもならたぶん、『いつになるかわからないから、先に帰りなよ』くらいは返ってきてたと思う。
私と先輩は電車通で、先輩が降りる駅は私のひとつ前だ。
だから彼は私と一緒に帰るとき、時間が遅くなるのを避けようとする。
なのにこんなにあっさり、『わかった』が返ってきたということは。