I先輩
 


あんな怖い目した先輩、初めて見た。

どうしたんだろう…



「ひどーいっ…」



梨乃ちゃんは顔を両手でおさえてしゃがみこみ、泣き出してしまった。



「あっ…えと…大丈夫?」

「梨乃…悪いことしたかなぁ…?」



わたしは思いっきり横に首を振った。



「梨乃ちゃんは悪くないよっ!あのド変態カズ先輩がいけないんだもんっ!!!」



そうだよ、どんな理由があったって女の子泣かすなんて最低っ



「うぅん…夏目先輩が気に触ること…きっと梨乃が言っちゃったんだね。
だから、先輩を責めないで?」



…なんて、いい子なの梨乃ちゃん。

こんなに優しい子を泣かせるなんて、やっぱり先輩は最低だよ



「まぁ、気にすることないですよ。今日はたまたま機嫌が悪かっただけで、きっと明日には元に戻ってますから」



カズ先輩がヘコませたロッカーを触りながら槇先輩が言った。



「それにしても、派手にやられましたね…」



むなしくヘコんだロッカー、

みんながいる部室に

しばらく先輩は戻って来なかった。



< 25 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop