I先輩
《4thlove》

すきなひと

 


いつもの放課後



「はい、ことりちゃん」



部室を掃除中のわたしの目の前に、愛用のマグカップが現れた。



「あ、ありがとうございます。カズ先輩」



受け取ろうとした時、少しだけ手が触れて

慌てて手を離す



―ガッシャーン



もちろんマグカップはそのまま急降下…



「…っ……!!すみません!!!」



落ちたマグカップの破片を拾う。



「ケガしたら大変だから、ことりちゃんは座ってな」

「ほんとに…すみません…っ」

「んーん、ごめんね
お気に入りのカップ割っちゃって」



新しいの買わなきゃなーと言いながらカズ先輩が破片を拾う。

それを黙って見ているだけのわたしは、本当に申し訳ない気分になる

最近のわたしは、何か変だ。


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