I先輩
 


先輩は小さくなっているわたしを見てクスッと笑うと、フワッとわたしの髪をなでた



―ゾワッ



全身に鳥肌が立った。

この人に触られたくない



「俺、千彰が嫌いなんだ
いつ復讐してやろーかなっていっつも思ってた」



なんで、千彰先輩が?



「そこで、やっとあいつを傷つけられる方法が見つかったんだ…」



そこまで言うと、先輩はまたわたしを見て笑った。



「琴璃ちゃん、君だよ?」



なんで…わたしが?



「なんで?って顔してるね
それは、千彰が琴璃ちゃんを好きだから」



千彰先輩が…わたしを?

そんなのありえない

例え好きだとしても、それは後輩としての好きで…

絶対、恋愛対象の好きなんかじゃない



「先輩…、へんです
千彰先輩がわたしを好きなわけありません」



―パシャッ



ケータイのカメラのシャッター音が響いた。



「俺がことりちゃんと一緒に居るって知ったら、あいつ何分で来るかなー?」

「…っ!?」



なに、この人…怖い…


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