花明かりの夜に
青ざめて、目を畳の床に落とす。


「……沙耶さん」

「……はい」

「若さまのことを、どう思っているの?」

「……え?」


突然の問いに、沙耶は驚いて顔を上げた。


(どう、って……

そんなことをお聞きになって、どうするの)


桔梗のほとんど視力のない目が、じっと沙耶にそそがれて。


「沙耶さん。

あなたが望むなら、若さまのお屋敷にお行きなさい。

……わたくしになど遠慮せず」

「望む、だなんて……」
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