花明かりの夜に
「顔が赤いね」

「赤くありませんッ」


なかば怒るように一礼し、くるりと背を向ける沙耶に、うしろから声が掛けられた。


「今夕にここで――分かったね?」

「……」


なかば振り返って、仕方なくうなずくと。

沙耶はツルツルに磨き上げられた廊下を小走りに歩き去った。




 * * *


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