花明かりの夜に
「……君はそんなふうに笑うんだな」

「――え?」


(笑っていたの? わたしが?)


自分がどんな顔をしていたのかわからず、つい真顔に戻る。


(つられてほほえんでいたの?)


長い間、笑った記憶もないというのに。

笑い方さえ、よくわからない。


「ほら。いつもツンとして取り澄ましているから。そうして笑っていた方がいい」

「……」


目を細めてほほえむ紫焔に、反応に困ってうつむいてしまう。

二人きりの部屋。


(そんなことを言われても……)

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