花明かりの夜に
「……?」


そんな沙耶を怪訝そうに見る紫焔の黒い瞳が、不意にきらりと探るような光を帯びた。


「……どうかした?」

「……いいえ」


沙耶は、はぁ、とひとつため息をつく。


「――若さま。

いくら剣術を鍛えていたといっても、だれかを斬り殺すことなんて想像もできません。

いざ敵を前にしたら、わたしなんて、きっとまるきり使いものになりませんから」

「……それはどうかな。

相手の喉元に突きを入れてくるなんて、なかなかの勇気だ。

「……そうでしょうか」


沙耶の声は不安げに小さくなる。

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