天然王子
―ガコッ
自販機から出てきたジュースを取り出す。
「えっとー…紗和はいちごみるくだっけ?」
ブツブツ独り言を言いながらボタンを押す。
それにしてもあの紗和が"いちごみるく"が好きって…似合わなすぎ
「コーヒーって感じ、それもブラック」
「ハールーちゃんっ♪」
声がした方を見ると、麻里奈ちゃんがニコッと笑って立っていた。
「おめでとう、勝ったんだって?バスケ」
「……どうも」
私は小さく会釈して、横を通り過ぎようとした
「あー!そーだっ
さっき広瀬くんが呼んでたよ?
屋上にいるって」
王子が…?
何だろう
「試合まで時間あるし、行ってきたら?」
「うん、ありがとー」
私は急いで屋上に向かった。