幼馴染み~初恋物語~
中学1年生(夏)
雨が続く梅雨も明けて、夏休みまで残り2週間に迫った暑い7月。

和樹と櫻は付き合ってはいないが、気まずい事もなく、普通に話して、たまに一緒に出掛ける仲は、相変わらず幼馴染みの友達のまま。

「おはよーっ!!和樹くーんっ!!」

こうして、ゴールデンウィーク以来、毎朝登校時間になると、向かいに住んでいる和樹の家に迎えに来る櫻だが、以前と違う事がある。

お互いに気を使っているのが、会話で伝わってくるのである。

杏佳の事は一切触れないし、今でも杏佳が教室に迎えに来ると、和樹はどこかに行ってしまう。

それでも何があったか、どんな話をしたのか、和樹も一切話さないし、櫻も気にしているが尋ねる事もない。

そしていつも通り、登校時間の何気ない会話が始まった。

「櫻ってテレビよく見てるよな?」

「うんっ!!見てるよ?なんで~?」

「プールのCMやってるじゃん?」

「あっ!!大山のプールの事かな?ウォータースライダーとか凄いよね?」

「そうそう。夏休みに入ったら一緒に行くか?」

「うん!!行く~っ!!」

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