幼馴染み~初恋物語~
その時、和樹が後ろからそっと抱き締めてくれた。

「こういうのしてほしいって言ってなかったっけ?」

「覚えてくれてたんだ…………」

確かにメリーゴーランドで後ろから、こんな風にしてほしいと言った。

一瞬嬉しいと思った櫻だが、目を開けると、首の長いお化けやお皿を数えている幽霊などが見える。

「きゃーっ!!お化け~っ!!」

ムードも何もない。

ただ恐怖が櫻に襲いかかってくる。

震えている櫻を、ギュッと力を込めて包み込むように抱き締めた和樹は、クスクスと笑って言った。

「本当に櫻は怖がりだなぁ…………」

「だって…………怖いもんは怖いんだから…………」

なんか違う…………

でもこういうのが…………

和樹君らしいのかも…………

和樹に喜んでもらえるなら。と思って頑張って入ったお化け屋敷は、何も楽しくはなかった。

しかし後ろから抱き締めていた和樹は、お化け屋敷に入った櫻を楽しんでいた。

櫻が愛しく思えて堪らない。

元気で明るい櫻に、こんな女の子らしい一面もあるんだと。






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