幼馴染み~初恋物語~
すると和樹の目に力が籠った。

「櫻は誰にも渡さないっ!!」

「それならそこの泣いてる女に引導を渡してやれよ…………?断るのも優しさだよな?櫻…………?」

「あっ…………うん…………」

櫻は龍聖の告白を断っているので、断る時の心の痛みも知っている。

和樹も同じ痛みを味わってでも、有紗を断って欲しいと思っていた。

しかし、和樹の答えは曖昧なものだった。

「俺達は友達だよ?そういう関係じゃないから…………」

櫻も和樹も同じである。

みんな自分も傷つきたくないし、人にも傷つけたくない。

そこで友達という言葉が出てくるのだ。

和樹が有紗の元へ行くと、しゃがんで優しく声をかけた。

「泣かないで…………一緒に帰れないけど、また試合の応援に来てくれよな?」

そんな様子を見ていた櫻は黙ったまま。

和樹君は優しい…………

でもその優しさは罪なんだよ…………?

八方美人で悩んだ櫻。

好きじゃないなら早い段階で断らないと、龍聖の時のように好きになってしまう。

そして、いざ告白されると断らないといけない。という複雑な心の痛みを伴うものだと櫻は知っていた。

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