幼馴染み~初恋物語~
秘密基地に使っていた洞穴の奥で、和樹と修が穴を掘って、みんなの手紙が入ったお菓子の缶を埋める。

「これでみんなの手紙が、埋められたね?」

和樹がそう言うと、掘った場所の土を踏みながら、修が続く。

「大人になったら、みんなで集まって、掘り起こそうな?」

「うんっ!!」

3人の声が揃うと、笑う声が洞穴に響く。

「今、声揃ったね?」

「うんうんっ!!揃ったねー?」


そんな会話をしている中、ボコボコとしている埋めた場所を眺めていた櫻は、ぼんやりと考えいた。

思い出かぁ…………

将来の自分に向けた手紙を土の中に埋めれば…………

きっとみんなの忘れられない思い出になるよね…………?

一緒に遊んだ事や話した内容なんて、すぐに忘れてしまう。

しかし、こうして形に残して、4人だけの秘密を共有することで、大人になった時に山で集まると、この頃の事を色々と思い出して、盛り上がるれるのだろう。

4人とも気持ちは同じ。

大人になっても、ずっと友達だよ?という無言の約束。

そんな楽しかった夏休みも、終わりを告げた。


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