幼馴染み~初恋物語~
小学1年生(秋)
長かった夏休みも終わった9月の中旬。

10月に行われる運動会の練習が、学校のグランドで行われていた。

6年生は何段も人が上に乗ったりする華やかな組体操だが、1年生は花笠音頭。

ふわふわした花をつけた笠を持って、踊るという簡単なもの。

それでも1年生には、覚えるのも大変。

右と左を間違えたり、振りを間違えて、クルッと1人だけ回転したり。

それを直すために、この時期の体育の授業は、運動会の練習に結構な時間を費やす。

そんなある日の1年生の合同練習。

クラスが違うとあまり関わりのない隣の2組の生徒達とも顔を合わせる。

当然、幼稚園が一緒だったり、家が近所だったりして、仲のいい友達がいることもあるが、全員がそうではない。

気が合わず、関わりたくない生徒もいる。

体操服に着替えてグランドに来た櫻と愛瑠は振り付けの練習をしていた。

「今日も花笠音頭かなぁ?みーぎ!!みーぎ!!ひだり!!ひだり!!ここで1周して…………愛瑠ちゃん!!これで合ってる?」

「うんっ。合ってるよ~!!」

愛瑠はダンススクールに通っているので、こういう競技は得意で、櫻の練習をよく見ていた。



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