白いジャージリターンズ~先生と私と空~


真っ白なエレベーターから降りても、壁が真っ白だった。


とても綺麗な真新しい病院の自動ドアが開く。


先生はてきぱきと手続きをしてくれる。
これも、あの夜と似てるなぁ。

こうして、大きな背中を見つめていたね。

先生との思い出のおかげで、私は心療内科への緊張が消えていた。

胸がキュンとしてる。
鮮明に思い出せる。
涙だってすぐに流せちゃう思い出だもんね。


「これ、簡単な問診票だって」

椅子に座り、質問の書かれた紙に丸をしていく。


「一緒に入らない方がいい?どうする?」

「一緒がいい」

「ん、わかった」



先生は、旦那さんなんだけど、時々お父さんのようにも感じる。
頼りになるね、先生。

ごめんね。
素直に先生に、助けてと言えば良かった。

高田コーチに頼った私を、許して。
先生。



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