彼があたしを抱くとき

二年の校舎は、ちょうど新聞部の部室の向かいであり二階建で、三年はめったに姿をみせない。

それに気づいてからは、
まず毎日、廊下で部室に出入りする岸谷をながめた。

岸谷の子供を産みたい、そして育てたい。

子供は愛情をそそげば、
きっと自分を愛してくれると思った。

岸谷にそそぐべき愛情が心によどみ、行き場を失っていた。

晩秋と初冬の狭間であたしは考えつづけた。

< 115 / 363 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop