彼があたしを抱くとき

父の墓は鎌倉にある。

母は父の存命の時から、義理がたく、
盆暮、正月の礼をつくしていた。

よく盆などには、みやげを持たされ代役で、
あいさつにあたしも行った。

父が忙しくなってからも、母はかならず横浜に行けば祖父母の家をたずねていた。

母の実家も横浜だったのだが、一つ電車を乗り越してまず先に婚家をたずねる人だった。


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