彼があたしを抱くとき

「紹介するよ」

その子は、どこを見てるのか赤い顔をしてうつむいている。

「こちらは中尾すずさん、いつも話す十万馬力のオネエチャン、えっと……ははっ」

「早く言いなさいよ」

「一級下の山根直子さ……んね」

ぺこっと頭をさげてから、頭をあげて微笑する山根直子は、いかにもやさしそうな女の子で
男友達に憧憬れていたついこのあいだまでの姿がわかるように初々しい。


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