彼があたしを抱くとき

大きな声を出すと、海と暗空に吸いこまれ、
あたしたち親子は二度とこの世の中に姿をあらわすことが、できないように感じられる。

海は言葉にみちている。

左からも右からも前や下からも、波のささやきがあたしたちを招いている。

母は死ぬつもりなのだろうか。


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