彼があたしを抱くとき

桟橋の先にすわりこむと母は、そうつぶやきだした。

母の背はつめたかった。

冷えきった背を、あたしはおおいかくすように、あたしの身体をぴったりと母につけた。

パジャマの身八ツ口から女のにおいが、鼻をさす。


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