偽装恋愛カレカノ
(幸は悪くない。
悪いのは私だよ)
そう書いた紙を
皆に向けるけど、
誰一人見てくれない。
お願い・・見て。
見てよ!
どうしてこんな時
こんな時に限って
声が出ないの!?
「ち・・が」
「どうにしかしろよ。
こいつの彼氏だろ?
お前らどっか行けや」
必死に出した声は
洸の声で消された。
何か・・
こっちを見るような
大きな音が出るもの。
花瓶!
花瓶がある。
花瓶を落として
割ればいい。
そう思って花瓶を
手にした。