偽装恋愛カレカノ



(幸は悪くない。
悪いのは私だよ)


そう書いた紙を
皆に向けるけど、
誰一人見てくれない。


お願い・・見て。


見てよ!


どうしてこんな時

こんな時に限って
声が出ないの!?


「ち・・が」

「どうにしかしろよ。
こいつの彼氏だろ?
お前らどっか行けや」


必死に出した声は
洸の声で消された。


何か・・

こっちを見るような

大きな音が出るもの。


花瓶!

花瓶がある。


花瓶を落として
割ればいい。


そう思って花瓶を
手にした。


< 45 / 133 >

この作品をシェア

pagetop