泣いて、笑って強くなれ
プロローグ


夏のちょうどお昼頃だっただろうか。

ミンミンと蝉がうるさく鳴いていた時だった。


「これから二人はどんどん大きくなって、色々な人に出会うと思う。

そんで、たーくさんの経験をすると思う。

だけど、これだけは忘れないでほしい。

”人間、泣けるということは、笑えるという証だからね”」


だれかが、そう私にいった。


一体だれなのか。


その記憶はとても曖昧で。


思い出そうとすると、何故か白いもやののようなものがかかって、肝心なところがどうしても見えない。


そしてその人は続けて、確かにこういったんだ。



「大人になれば、その意味がきっとわかるよ」








『泣いて、笑って強くなれ』
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