泣いて、笑って強くなれ

優愛side





長い長い夢を見ていた_________……。


『陽向、遊ぼっ!』


私があの島で笑ってる。


『ん?ちょっと待って。ほら、これやるよ。腹減っただろ?』

『うわっ!ありがとうっ!』


陽向もいて


『え、陽向っ!優愛ばっかりずるいっ!私にはないの?』


もう一人の女の子。

私この子知ってる。


『あ、悠里。半分こしようよ~!』


そうだ。

悠里。

大好きだった。

しっかりもので、まるでお姉ちゃんみたいなそんな存在だった。

毎日楽しかった。

毎日笑ってた。

こんな楽しい日がずっとずっと続けばいい。

そう思ってた_____________。







『_________優愛ちゃん』





忘れちゃいけない。

だけど、あのときの私の背中にこの記憶は重すぎた_____________。



__________________________


__________________



『今日はね、おばさんの誕生会するんだー。ね、陽向!』

『うん。だからね、美味しいケーキお願いね!』


そう、今日は陽向のお母さんの誕生日。

結構前から、私と陽向はコツコツとお小遣いを貯めるという計画をしていて、その日二人の全財産を合わせると3000円になった。

私たちはそのお金をしっかりと手に握って、一番小さなホールケーキひとつを注文しにいった。

お店の人はにっこりと笑って、わかったよと言ってくれた。

その日の私はきっとウキウキだった。

おばさんは今この村唯一の小さな病院で入院中。

何かの病気らしいけど、詳しいことはよくわからない。

陽向も多分分かってない。

だけど、おばさんはかなりひどい病気だってことは、分かる。

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