極甘上司に愛されてます





「……もう、立てないんですけど」


ソファにくたっと横たわったまま、私はぼそりと呟く。

彼と付き合い始めてからというもの、大人な彼のテクに翻弄されっぱなしで、毎度毎度失神寸前のところまで連れて行かれるから、身体が持たない。


「若いクセに何言ってんだか」


そう言って服をてきぱき身に着ける彼は全く疲れていないようで、着替えが終わるとテーブルの上の食器をささっとキッチンの方へ持って行く。


「あ……そういうの、私がやるのに……」


慌てて上半身を起こし、床に落ちた服に手を伸ばしていると、キッチンの彼は水道から水を出し、食器洗いを始めながらこう言った。


「いいよ。いつもお前に家事してもらってたらそれが癖になりそうだし。また今度、俺の方が疲れてる時は頼む」

「……わかりました」


……優しいな、相変わらず。

いつか結婚したとしても、透吾とならうまく家事を分担してやっていけそう。

そんなことを考えながらゆっくり着替えていると、食器洗い中の彼がサラッとこんな発言をする。


「お前さ、そろそろこっちに引っ越して来たらどうだ?」

「え……?」

「俺はいつでも歓迎するぞ。その方が、結婚に向けての準備もやりやすいだろうし」


わ……なんだか、急に具体的なお話……! でも、うれしい……!

胸にじわじわと幸せな気持ちが湧いてきて、着替えを済ませた私はキッチンまで駆けて行き、シンクに立つ彼の広い背中に思わずぎゅっと抱きついた。



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