俺様富豪と甘く危険な恋
「なにか欲しいのか?」

「朝日奈さん、ビール飲みましょ」

「ビール?」

「あのベンチに座って海を見ながらビールを飲みたいんです。少しくらいならいいですよね?」


ボディーガードたちや蓮がいてくれるから、安全な気がして今や危機感はゼロに等しい。


「仕方ないな。買いに行くか」

「私が誘ったんだから買ってきます」


栞南はワンピースのポケットに香港ドルを用意していた。一緒に店の中へ入った蓮は従業員2人しかいないことを確かめる。


「外で待っていてください」

「は?」

「いいから。他にも買いたいものがあるんです」


蓮の後ろに回り、背中を押して出入り口に行かされ仕方なく外で待つことになった。


すぐに缶ビールを2本手に持った栞南が出てきた。楽しそうにニコニコしている。


「あそこに座って飲みましょう!」


栞南は近くのベンチを示した。

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