俺様富豪と甘く危険な恋

いたずら心

「あ! 帰るんですかっ!? ちょっと待ってくださいっ! もっと海の近くに行ってみたいんです」


まだ戻りたくない栞南は蓮とは逆方向に向かう。


「お、おい!」


付いてこない栞南を見て蓮は仕方なく方向をかえる。

栞南は突き出た遊歩道の際、海面から30センチほどの高さのあるへりを歩いている。

海に落ちそうで見ていて危なっかしい。

蓮が栞南の腕をつかもうとしたとき、ぐらっと海の方へ身体が傾く。


「危ない!」


蓮は30センチ下の海に落ちそうな栞南の腕をかろうじてつかみ、自分の方へ引き寄せた。

蓮に抱きかかえられた栞南はホッと息をつく。


「……ありがとうございます」

「まったく向こう見ずだな。もういいだろ。行こう」

「あっ……」


今度はしっかり栞南の手を握った蓮はもと来た道を歩き始める。

レパルスベイビーチ沿いに小さなショッピングモールがある。海が見えるレストランやフィットネススタジオもあり、それを見ると、ここでのんびりできたらいいのにと思わずにはいられない。


「あれはコンビニですよね?」


建物に向かって右側にコンビニを見つけた。

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